中古車の査定をするのは、「査定士」と呼ばれる人たちです。中古車の査定額は気にかけるものの、この「査定士」について、私たちはあまり理解していませんよね。そこでこちらの記事では、「査定士」について紹介したいと思います。

査定士とは

査定士とは、車の査定を行う人のことですが、これは単なる役割の話ではなく、実際に査定士の資格を有する人を指します。

正確には、「中古自動車査定士」という資格で、一般財団法人の日本自動車査定協会が発行しています。

中古自動車査定士は、「小型車査定士」「大型車査定士」に分けられ、小型車査定士は普通運転免許、大型車査定士は大型第1種免許が必要です。

これらに加え、自動車の販売もしくは整備の実務経験が半年以上、さらに日本自動車査定協会が開催している研修を修了することが、受験資格として設けられています。

技能試験には、学科と実技があります。

学科では、

1. 中古自動車査定制度
2. 中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準
3. 自動車の構造、機能及び取扱い
4. 保安基準、その他自動車に関する法規
5. その他査定に関する事項

に関する知識が問われ、実技では実際に査定を行い、その正確性について審査されます。

中古自動車査定士の資格には実務経験が必要なことから、自動車販売会社のセールスマン等が受験することが一般的です。

また、中古自動車査定士には有効期間があり、3年間に定められています。資格を更新するためには、3年ごとに協会の研修会を受けなければいけません。また、更新時に自動車販売店などの実際に査定を行うお店に所属している必要があります。

ディーラー・販売店に査定士は多い

現在、新車または中古車を購入する人の70〜80％は車の「買い替え」を行うため、ディーラーにせよ中古車販売店にせよ、査定をすることがある程度前提になります。

そのため、販売店のスタッフの多くは、査定士の資格を所有しています。そもそも、前述のように資格の取得には実務経験が必要なので、業務の流れとして、社員に資格を取らせるのが一般的のようですね。

販売店によって査定額が違うのはなぜ？

査定士とは資格を有する専門家であることはわかりましたが、それではなぜ、査定士によって査定額が異なるのでしょうか。

理由の一つは、査定士は査定をするものの、実際の査定額を決めるのは販売店であるからです。査定額は、査定士による査定内容をもとに、市場価値や自社の流通事情等を鑑みた上で、最終的に決定されます。

同じ車であっても、A社では価値があり、B社にとっては売りづらい車であると判断されることがあります。その結果、査定額に違いが生じてしまうわけです。

もちろん、別の理由として、査定士自身の技術力も挙げられます。たとえば、アメリカ社のように特殊な知識を要する車の場合、そのような車に強い販売店の査定士でなければ、車のポテンシャルに気づかない場合もあります。

いずれにしても、査定額を高くするためには、結局のところ複数の会社に査定を依頼し、吟味する必要があるのです。

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