車を持つと、さまざまな維持費がかかります。ガソリン代や修理代のようなメンテナンス費用や車検、駐車場の費用にくわえ、自動車独自の「税金」もあります。なかでも「自動車税」は、毎年納付する義務があるため、自動車の代表的な維持費といえるでしょう。

自動車税は納付方法がやや特殊で分かりづらく、購入してから困惑する人も少なくありません。そこでこちらの記事では、自動車税の仕組みについてまとめてみたいと思います

自動車税とは

自動車税とは、自動車の所有者に対し課せられる自動車特有の税金です。毎年1回、1年分の支払いがあり、自動車の所有者は、車種に関わらず、例外なく納付することになります。

自動車税の分かりにくいところは、「誰が」支払うのか、という点が、かなり機械的に処理されてしまうところです。

というのも、自動車税は、毎年4月1日に車を所有している人に対し、課税されます。

つまり、4月1日に所有していれば、たとえ翌日に車を売却する予定があったとしても、1年分の支払いが義務付けられます。逆に、4月1日に所有していなければ、4月2日から自分が所有者になったとしても、支払いは旧所有者にあてられます。

しかも、廃車する場合を除き、自動車税が還付されることはありません。つまり、自動車税について知っていなければ、よけいな税金を課せられる可能性があるということです。

このようなお役所的な手続きが、自動車税を分かりづらくする理由の一つといえるでしょう。

※ちなみに、新車を購入した場合は、年度途中であったとしても、月割で翌年3月までの税気を支払うことになります（例：5月に新規登録した場合は、10ヵ月分の支払い）。

2019年10月1日の改正内容

もうひとつ、自動車税の分かりづらいポイントは、車の排気量によって税額が変動するということです。ちなみに、この税額は、2019年10月の消費税増額とともに改正されています。

地球環境に配慮し、廃棄量の少ない車ほど、課税額が少なる仕組みになっています。

自動車税を少しだけ「節税」する方法

自動車税は、上記の表で決められた金額を自動的に課せられるため、節税の余地がありません。ただし、僅かな金額ですが、得することもできます。

新車を購入した場合は、新規登録した月から自動車税が月割で課せられます。そして、この月割の自動車税は、「月単位」で発生します。

つまり、5月31日に新規登録した場合は、翌3月までの10ヵ月分が課せられますが、翌日の6月1日に新規登録した場合は、9ヵ月分で済みます。

そのため、新規登録をする場合は、なるべく上旬を狙うようにすると、少しだけ節税することができるのです。

中古車販売店は自動車税を「還付」してくれる？

前述のように、自動車税は「廃車」する場合を除き、還付されることはありません。ただし、中古車販売店に売却する場合は、自動車税の「残額」を査定額に考慮してくれる場合があります（ディーラーの下取りではほぼ考慮されません）。

そのため、自動車税の残額がたっぷり残っている場合は、査定士にその旨を申告し、査定額に加えてもらうようにしましょう。