事故車は査定額が下がってしまうといいますが、すべての事故車が査定に影響するわけではありません。事故車の査定額は、「修復歴」によって変動します。そこでこちらの記事では、事故車と修復歴に関する豆知識をご紹介します。

事故車、修復歴車の定義

「事故車」について考える時、似たような表現として「修復歴車」が挙げられます。一般的には事故車と修復歴車は同じものであるように捉えられがちです。確かに、事故に遭遇した「事故車」を修復したら「修復歴車」になるため、両者が（結果的に）同じものになる可能性はあります。

しかし、事故車と修復歴車は、厳密には次のような定義の違いがあります。

修復・・・車体の骨格に当たる部位など、特定の部位を修理・交換すること

修復歴車・・・修復した経歴のある車

事故車・・・事故に遭遇した経歴のある車

定義を見比べるだけでは、前述のように事故車と修復歴車にあまり違いは感じられません。両者の違いをはっきりさせるためには、「修復」の定義を理解する必要があります。

修復とは、「車体の骨格に当たる部位など、特定の部位を修理・交換すること」を意味します。広い意味での修理とは異なり、「特定の部位」を修理する場合のみが修復に当たります。

そして、この修復を施した車が「修復歴車」に該当します。ということは、もし事故に遭遇した「事故車」を「修復」した場合は、「事故車＝修復歴車」になります。

ところが事故を起こした車であっても、「特定の部位」が破損しなかった場合、その事故車には「修復」の必要がありません。ということは、この車は「事故車」には該当するものの「修復歴車」には該当しません。

このように、かなりややこしい定義になっているわけですが、実はこの定義の違いが、査定額に大きく響くことになるのです。

査定額が下がるのは「修復歴車」の場合

なぜこのような細かい定義の違いが重要なのでしょうか。というのも、実は査定額に影響するのは「修理歴」ではなく「修復歴」です。修復歴がある場合、査定額がガクッと下がってしまいます。逆に修理をしたことがあっても、それが「修復」に該当しなければ、査定額への影響は小さくなります。

ということは、同じ事故車であっても「事故車＝修復歴車」と「事故車≠修復歴車」であれば、まったく査定額が違ってしまうのです。

そのため、事故車と修復歴車の細かい定義の違いを、しっかりと押さえておく必要があるのです。なお、修復歴車の場合、査定額が20～30％下がってしまいます。

事故車（修復歴）に該当するパーツとは？

修復とは「特定の部位を修理・交換すること」と紹介しました。では、「特定の部位」とは具体的には何を指すのでしょうか。日本自動車査定協会によると、「特定の部位」として次のものが挙げられます。

①フレーム （サイドメンバー）

②フロントクロスメンバー

③フロントインサイドパネル

④ピラー

⑤ダッシュパネル

⑥ルーフパネル

⑦ルームフロアパネル

⑧トランクフロアパネル

⑨ラジエータコアサポート

上の①～⑨の部位が破損し、修理をした場合には、その車は「修復歴車」になります。

修復歴を黙っていればバレない？

修復をすれば見た目的には事故車に見えません。そのため、「申告しなければバレないのでは？」と考える人も多いようです。

しかし、査定士は車査定のプロであり、もちろん「特定の部位」も念入りに調査をします。プロの目をかいくぐるのはほとんど不可能でしょう。

また、万が一査定の時点でバレなかったとしても、後々修復歴が発覚した場合、差額の返金などの責任が生じてしまいます。

面倒なトラブルに巻き込まれないためにも、正直に修復歴は申告しておくようにしましょう。

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