車の査定額は、車種、年式、走行距離でほぼ決まり、そこから傷や凹みといったマイナス要因が引かれていきます。ところが、車の種類や状態とはまったく別に、もうひとつ査定額に大きく影響する要因があります。それが、車を売却する「時期」です。

じつは、まったく同じ車種、条件、状態の車であったとしても、時期によって査定額が変わる可能性もあるのです。

そこでこちらの記事では、査定額と時期の関係性についてまとめてみたいと思います。

査定額の一番高い時期は1~2月

結論からいうと、車の査定額がもっとも高くなるのは、1〜2月です。まったく同じ車であったとしても、1〜2月に売った方が、査定額は通常高くなります。

では、なぜ時期によって変化が起こりうるのでしょうか。

それは、車の「需要」に関係します。

簡単にいうと、需要が多い時期ほど、車は高値で売りやすく、またそもそも大量の中古車を用意する必要があるため、査定額もそれにつられて高くなる傾向があるのです。

それでは、1〜2月に需要が高まるのはなぜでしょうか。正確にいうと、車の需要がもっとも高くなる時期は「3月」です。

3月は新生活がスタートする時期でもあり、車の販売数が急増します。実際に2019年3月には約64万台の車が購入されていますが、その他の時期は30〜40万台程度。つまり、3月はほぼ1.5〜2倍近い販売数を記録していることが分かります。

そして3月に販売するためには、その直前までに、車を用意しておく必要があります。そのため、3月の直前期である1〜2月に、査定額が上がる傾向が見られるわけです。

「新生活」以外にも理由はある

3月に販売台数が増えるのは、「新生活」という需要だけではありません。というのも、自動車業界の多くは3月に決算期を設定しているところが多く、自動車業界としても、この時期に積極的に車を販売しようとします。

つまり、3月になると中古車業界でも競争が激化するため、販売店としては、他社よりも一台でも多く、商品（中古車）を揃えようとします。

その結果、査定額がある意味で「甘く」なり、比較的高値で売りやすくなるのです。

ちなみに、9月には中間決算があるため、8月前後も査定額が上がりやすい傾向があります。

必ず3月まで待つ必要はない

3月に車が高く売れるのは事実ですが、万が一時期を逃してしまった場合も、やはり3月まで待った方がいいのでしょうか。

これについては、待たない方がいいケースも多くあります。

というのも、基本的に中古車は、古くなればなるほど査定額が下がってしまいます。そのため、3月まで待った結果、かえって価格が落ちてしまう可能性もあるのです。

とくに危険なのが、モデルチェンジのタイミングです。同車種のモデルチェンジが発売されると（正確には情報が発表されると）、車の査定額は一気に下がります。3月まで待った結果、途中にフルモデルチェンジを挟んでしまい、価格が激減した、というケースも珍しくありません。

そのため、3月を狙う場合には、メーカーの情報を敏感に取得し、リスクがある場合には、早急に売却してしまうようにしましょう。

車検の時期に注意

3月に注目するあまり、車検を跨いでしまうのも危険です。たしかに3月になれば査定額は上がりますが、だからといって車検の費用分をまかなえるかどうかは、かなり微妙なラインです。

軽自動車のように車検費用が安い車種ならまだしも、通常はやはり10万円近くかかってしまうもの。また3月まで待った結果、古い車だと判断されてしまう可能性も捨てきれません。

そのため、もし3月前に車検があるようであれば、基本的には車検の前に売却してしまった方が無難といえるでしょう。

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